プライド 第18話
2013年 09月 20日
ここが韓国…ユチョンのふるさと…。
空港内を歩く私の目に飛び込んできたのは、東方神起の巨大なポスターだった。
なんか…すごい…
空港にこんな大きなポスターが…
ユチョンほんとに有名人なんだ…。
日本では小さなイベント会場でライブをしているのに…。
私の周囲ではユチョンたちを知っている人は全然いないのに…。
そんな状況だから、私はユチョンが芸能人だと意識することは全くと言っていいくらいなかった。
東方神起の母国に来て、初めて実感した。私の大切な人は普通の人ではないのだと。
たった2日間の滞在だけど、その2日間でその事実を嫌というほど私は実感させられることになる。
*****
プルルー!プルルー!
「もしもし!美桜!メールでも言ったけど、誕生日おめでとう!」
「ありがとう。」
今日は美桜の誕生日。
今日の午前1時におめでとうメールだけは送っていた。
本当は20日の0時になった瞬間に電話したかったけど、仕事で無理だった。
「ねぇ、ユチョン…今日仕事何時頃に終わる?」
「22時まで生放送の音楽番組に出るんだけど、それが今日最後の仕事だよ。」
「そのあと…会える?」
「え?」
「私ね…今ソウルにいるの…。」
え、今なんて????
ソウルにいる???
美桜が、
ソウルに、
いる
美桜がソウルにいる!!!!
「ほんとに!?どこのホテルにいるの??いつまでソウルにいるの?」
あまりにも嬉しいサプライズに、俺はすっかり興奮していた。
「えっと…〇〇〇ホテルていうホテル。まだ着いてないけど…。日本には明日の夜の飛行機で帰るの。」
今すぐ会いに行きたい。
あぁー嬉しすぎる!
「最後の仕事が終わったら、すぐにホテル行く!美桜ひとりで来てるの?あんまり一人でブラブラしないで。心配だから。」
「うん。会えるの楽しみにしてる。仕事頑張ってね。」
「うん!」
あぁー早く仕事終われー!
今すぐ会いに行きたい!
仕事したくないー。
でも、美桜が「仕事頑張ってね」て言ってくれたから頑張る!
一人で盛り上がっている俺を見ながら、「今日のユチョンはとびきり良いパフォーマンスをするね(笑)」とメンバーたちが囁きあっていた。
そんなことには全く気づかずに、俺は舞い上がっていた。
*****
ここはどこ?
いや、ソウルですよ…。
ソウル…なんだけどね…。
〇〇〇ホテルが見つからない…。
空港から地下鉄で三駅の所が最寄り駅。
地下鉄には無事乗れた。降り立った駅はちゃんと合ってる…はず。
最寄り駅から徒歩15分とれいちゃんに教えてもらったし、ホテルのホームページ(英語版)にも書いてあった。
それなのに…30分以上歩いてるのに、〇〇〇ホテルが見つからないよ~。
これは私一人で考えていても無理だ。
誰かに聞こう!
えっと…韓国語のハンドブック…あれは指さし会話だから私でも大丈夫!
あれ???
でも指さし会話はこっちから伝えるのはできても、相手の言ってることは理解できないよね…。
うわぁ…ヤバイ…。
オッパと、サランヘと、オンマと、カムサハムニダくらいしかわかんないのに、一人で韓国なんてやっぱり無謀すぎた…。
あ!誰か英語わかる人いないかな?
高2の夏休みにイギリスでホームステイしてたし、大学は外大で英語にはいつも触れているから、一応それなりに会話はできる。
頑張れ、外大生の私!
第一専攻はドイツ語だけど。
誰に聞こう…。
優しそうな人…
よし、あの人にしよう!
私は同じくらいの年の女性に英語で話しかけた。
「Excuse me.Could you tell
me the way to the 〇〇〇 hotel?
(すみません、〇〇〇ホテルへの行き方を教えてくださいますか?)」
「わぁー!あなた、日本の人!?」
え、この人日本語話せるの!?
しかも、すごく上手!ネイティブみたい!
でも、私が日本人だってなんでわかったんだろう?私の英語そんなに日本語っぽい発音だったのかな…?
「は、はい。」
「私ね、日本大好きなの!
それにしても、すっごく英語の発音綺麗ね!帰国子女?」
「いえ、帰国子女ではないです。前にイギリスでホームステイしてたんです。あと、外国語大学に通ってるので…。」
「そうなんだ!だから上手なのね。あ、〇〇〇ホテルなら方向反対よ。案内してあげる!」
「あ、ありがとうございます。助かります。」
私は、元気の良いこの人の親切に甘えることにした。
つづく
空港内を歩く私の目に飛び込んできたのは、東方神起の巨大なポスターだった。
なんか…すごい…
空港にこんな大きなポスターが…
ユチョンほんとに有名人なんだ…。
日本では小さなイベント会場でライブをしているのに…。
私の周囲ではユチョンたちを知っている人は全然いないのに…。
そんな状況だから、私はユチョンが芸能人だと意識することは全くと言っていいくらいなかった。
東方神起の母国に来て、初めて実感した。私の大切な人は普通の人ではないのだと。
たった2日間の滞在だけど、その2日間でその事実を嫌というほど私は実感させられることになる。
*****
プルルー!プルルー!
「もしもし!美桜!メールでも言ったけど、誕生日おめでとう!」
「ありがとう。」
今日は美桜の誕生日。
今日の午前1時におめでとうメールだけは送っていた。
本当は20日の0時になった瞬間に電話したかったけど、仕事で無理だった。
「ねぇ、ユチョン…今日仕事何時頃に終わる?」
「22時まで生放送の音楽番組に出るんだけど、それが今日最後の仕事だよ。」
「そのあと…会える?」
「え?」
「私ね…今ソウルにいるの…。」
え、今なんて????
ソウルにいる???
美桜が、
ソウルに、
いる
美桜がソウルにいる!!!!
「ほんとに!?どこのホテルにいるの??いつまでソウルにいるの?」
あまりにも嬉しいサプライズに、俺はすっかり興奮していた。
「えっと…〇〇〇ホテルていうホテル。まだ着いてないけど…。日本には明日の夜の飛行機で帰るの。」
今すぐ会いに行きたい。
あぁー嬉しすぎる!
「最後の仕事が終わったら、すぐにホテル行く!美桜ひとりで来てるの?あんまり一人でブラブラしないで。心配だから。」
「うん。会えるの楽しみにしてる。仕事頑張ってね。」
「うん!」
あぁー早く仕事終われー!
今すぐ会いに行きたい!
仕事したくないー。
でも、美桜が「仕事頑張ってね」て言ってくれたから頑張る!
一人で盛り上がっている俺を見ながら、「今日のユチョンはとびきり良いパフォーマンスをするね(笑)」とメンバーたちが囁きあっていた。
そんなことには全く気づかずに、俺は舞い上がっていた。
*****
ここはどこ?
いや、ソウルですよ…。
ソウル…なんだけどね…。
〇〇〇ホテルが見つからない…。
空港から地下鉄で三駅の所が最寄り駅。
地下鉄には無事乗れた。降り立った駅はちゃんと合ってる…はず。
最寄り駅から徒歩15分とれいちゃんに教えてもらったし、ホテルのホームページ(英語版)にも書いてあった。
それなのに…30分以上歩いてるのに、〇〇〇ホテルが見つからないよ~。
これは私一人で考えていても無理だ。
誰かに聞こう!
えっと…韓国語のハンドブック…あれは指さし会話だから私でも大丈夫!
あれ???
でも指さし会話はこっちから伝えるのはできても、相手の言ってることは理解できないよね…。
うわぁ…ヤバイ…。
オッパと、サランヘと、オンマと、カムサハムニダくらいしかわかんないのに、一人で韓国なんてやっぱり無謀すぎた…。
あ!誰か英語わかる人いないかな?
高2の夏休みにイギリスでホームステイしてたし、大学は外大で英語にはいつも触れているから、一応それなりに会話はできる。
頑張れ、外大生の私!
第一専攻はドイツ語だけど。
誰に聞こう…。
優しそうな人…
よし、あの人にしよう!
私は同じくらいの年の女性に英語で話しかけた。
「Excuse me.Could you tell
me the way to the 〇〇〇 hotel?
(すみません、〇〇〇ホテルへの行き方を教えてくださいますか?)」
「わぁー!あなた、日本の人!?」
え、この人日本語話せるの!?
しかも、すごく上手!ネイティブみたい!
でも、私が日本人だってなんでわかったんだろう?私の英語そんなに日本語っぽい発音だったのかな…?
「は、はい。」
「私ね、日本大好きなの!
それにしても、すっごく英語の発音綺麗ね!帰国子女?」
「いえ、帰国子女ではないです。前にイギリスでホームステイしてたんです。あと、外国語大学に通ってるので…。」
「そうなんだ!だから上手なのね。あ、〇〇〇ホテルなら方向反対よ。案内してあげる!」
「あ、ありがとうございます。助かります。」
私は、元気の良いこの人の親切に甘えることにした。
つづく
by rin1119a
| 2013-09-20 17:33
| プライド