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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

プライド 第29話

翌朝

ピンポーン

こんな朝早くから誰だろう???
あ、もしかして…。
私は眠っているユチョンを起こさないように、静かに玄関に向かった。

中から訪問者を確認してみると、思った通りユチョンのマネージャーさんだった。私は、扉を開けて中に招き入れようとした。

「朝早くに申し訳ありません。あ、中には入らないのでお気遣いなく。ユチョンを迎えにきました。」

マネージャーさんとは去年の全国ツアー以来、平均すると2~3ヶ月に1度くらいの頻度で顔を合わせている。
その理由は、今日と同じ。私の家にいるユチョンをマネージャーさんが迎えに来るからだ。
ユチョンが私の家に来た翌朝は、毎回ではないけれど、結構な確率でマネージャーさんがやってくる。

「今日の仕事…どうしても出なきゃいけませんか?」
「え?」
普段の私からは絶対に飛び出さない言葉に、マネージャーさんは驚いているようだ。冷静沈着な人だから、顔には出していないけど。

私はマネージャーさんの連絡先を知らないし、ユチョンが「誰にも関わりたくない。美桜といたい。」と言ったから、ユチョンのケータイを使って彼に連絡をすることもなかった。
だから、マネージャーさんは昨日のことは知らない。


「ユチョン、昨日倒れたんです。熱は少し下がったけど、まだ38℃あるんです。お医者さんからも、疲労が蓄積されているからゆっくり静養するようにって言われました。こんな状態で仕事なんてダメです。」

マネージャーさんは何も答えない。
「せめて、今日一日だけでも休ませてあげてください。お願いします。」
私はマネージャーさんに頭を下げた。

「美桜さん、頭をあげてください。…どうしても行かなきゃいけないんです。」
「そんなの酷すぎます!仕事なんかよりユチョンの心と体の方が大切に決まってるじゃない!!」

眠っているユチョンを起こさないように小声で話していたのに、私は思わず叫んでいた。
酷いよ…酷すぎるよ…。

「んー…美桜…?どうしたの?そんなに大きな声出して…。あ、ヒョン…。」
私の大声のせいで、ユチョンは起きてしまった。玄関の外にいるマネージャーさんを見て、何かを悟ったような表情をした。
「…仕事だよね(笑)はぁー逃げられないよねー。ハハッ(笑)美桜…看病ありがとう。仕事行ってくるね。」
「ユチョン!そんな体で行っちゃダメだよ!」
「うん…俺、美桜と一緒に誰もいないとこに行きたいな…。」
全く力のない目でユチョンはそう言った。
「ユチョン!」

ユチョンは上着を羽織り、玄関にやって来た。
「ユチョン、行っちゃダメ!」
「美桜…行ってくるね。…ヒョン、待たせてごめんね。服は局にあるもの借りるからこれで行くね…。」

ユチョンとマネージャーさんは、私を残し去っていった。
取り残された私は、一人で声を出し泣いていた。


*****


プルル!プルル!

あの後、お昼から私はバイトに行った。バイトから帰宅すると、泣き疲れていたのか、ひたすら眠っていた。
けれども、私の睡眠は、何度も鳴り続けるケータイの着信音によって、強制終了させられた。

誰なの…しつこい…。
しかも、知らない番号…。
かなり不気味に感じたけど、就活中の私は「まさか…企業から?」と思い渋々出た。

『もしもし?美桜さんですか?』
「…そうですけど…。」
なんで私の名前を知ってるの?
あれ?この声まさか…。

『東方神起のマネージャーです。今朝は失礼しました。』
なんで、マネージャーさんが私のケータイの番号を知っているの!?
「いえ、私は別に何も失礼されていないので。それより、ユチョンは?」
私は自分でも驚くくらい冷たい口調で話していた。
『今、休憩時間なので、仕事先の救護室で眠っています。
…美桜さん、突然で申し訳ありませんが、明後日の14時頃お時間ございますか?』


「…え?あり…ますけど…」
なんでマネージャーさんが私の予定を聞くの??わけがわからない。
『用件を申し上げます。
うちの事務所の社長が美桜さんにお会いしたい…と申しております。』
「えっ!?」
なんで、ユチョンの事務所の社長さんが私に会いたがるの!?

『社長は韓国人ですが、日本語はとても流暢に話せます。当日は、社長の他に、社長秘書の女性が側にいるので、ご安心ください。』
あの…ご安心ください…なんて言われても、私の不安はそんなとこじゃないんだけど…。


返事をしない私の不安を読み取ったのか、マネージャーさんは言葉を続けた。
『ここから先言うことは、私個人…ユチョンと美桜さんを応援する者からのメッセージです。』
そう言った後、マネージャーさんはいつものお堅い敬語ではなく、ユチョンと話しているときのようなフランクな口調で話始めた。

『脅しのように聞こえるだろうけど…。
まず、明後日社長が美桜さんに言う話は、確実に君の心をズタズタにさせる。』
どういう意味???
私は何が何だかさっぱりわからず、黙って聞くしかない。

『それから、社長はユチョンと美桜さんの関係を快く思っていない。確実に、ユチョンと別れるように…と言うはずだ。
…というか、社長が君に会う目的は、君たちを別れさせるためだ。』
私は、あまりのことに言葉も出ない。

『最後に…。社長にどんなことを言われても、絶対にユチョンと別れないでくれ…。』
マネージャーさんは、さらに続ける。
『ユチョンは君のおかげで変わった。まあ、鼻の下伸ばしてのろけるのはかなり気持ち悪いから、勘弁願いたいが…。
君たち二人はね、絶対に離れちゃダメだ。俺は、君たち二人が一緒にいる姿を見るだけで、幸せな気持ちになる。だから…絶対に別れないでくれ。俺にできることなら何でもするから。』
マネージャーさんの言葉が私の心に響いてくる…。
涙が止まらない…。

「ぐすん…マ、マネージャーさん…ぐすん…ありがとうございます…。私…ぐすん…負けません…」
『うん。頑張れ。何かあったら、いつでもこの番号にかけておいで。オッパが助けてやるから。』
そう言って、マネージャーさんは電話を切った。

ありがとう…マネージャーさん。
私…頑張ります。


つづく
by rin1119a | 2013-09-24 11:53 | プライド