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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

プライド 第43話

事務所を出た俺たち3人は、東京ドームと大阪ドームでコンサートをした。

ユノヒョンとチャンミンが解放されたらすぐに東方神起の活動ができるように、しっかり場所を作っておかなきゃ!東方神起が忘れられないようにね!

正直辛いけど…。
身に覚えのない中傷・家族にまで及ぶ中傷・熱狂的なファンからのつきまとい(これは前からだけど、活動休止になってから悪化した)・難航してる裁判…。
ユノヒョンとチャンミンには全然会えないし…。

でも、今は我慢の時なんだ。
大丈夫!新しい事務所も、ユノヒョンとチャンミンが来ることを心待ちにしている。
絶対に5人でまた笑いあえる!みんなで歌ったり踊ったりできる!

この頃の俺は、そう願っていたしそれができると信じていた…。

*****

「美桜ー遅くなったけど、アメリカのおみやげー!」
「わぁーありがとう!」
2か月前、俺たち3人は渡米し、新しいアルバムを作った。とても素晴らしいアーティストたちの協力を得て、物凄く良い出来になった。

「わぁ!綺麗!」
美桜にあげたのは、自由の女神の置物。宝石が施してあってすごく綺麗だ。インテリアとしてはかなりいい物だと思う。

「ホントにありがとう!どこに飾ろうかな…あ、そういえば、新しいアルバムはいつ発売になるの?」
「来月。すっごい良い出来になったから、絶対に喜んでもらえる自信あるんだ!」
「それ電話でずっと言ってたね(笑)そんなにすごいんだ!楽しみー!」
「ホントにめちゃくちゃすごいんだよ!…えっと…えっと…日本語で…あるでしょ?…百点は一点?…あれ?違う…えっと…もういいや!とにかく聴いてみて!はい!」

俺は、まだ発売されていない新しいアルバムを美桜に渡した。
「ありがとう!…あっ!ユチョンが言いたかったのって、『百聞は一見に如かず』じゃない?」
「百聞は一見に如かず…そう!それ!美桜わかってくれてありがとう!」
「どういたしまして。それにしても、『百聞は一見に如かず』なんてどこで覚えたの?すごいね。」
「あははーちゃんと覚えてなかったけどね(笑)百と一しか合ってないもん(笑)」
「あ、ホントだー(笑)百と一しか合ってないね(笑)」

なんか、こんな他愛もないやりとり久しぶりかも。
最近ずっとお互いの心配ばかりだから。それが悪いわけではないけど、こういう会話はやっぱりいい。

昔を思い出すなぁ。
美桜と出会ったばかりの頃、電話で日本語を教えてもらっていた時のことを。
あの頃は簡単な日本語でも間違いまくっていて、いつも美桜に優しく訂正してもらってた。
そのおかげで、早く日本語が上手くなったし、ファンからも「ユチョンの日本語ネイティブみたい。上手!」と言ってもらえるようになった。

俺が日本に来てからの数年間には、ずっと美桜がいる。
美桜がいたから、楽しいこと・嬉しいことはもっと楽しく嬉しくなった。辛いこと・悲しいことでも頑張れた。
美桜がいないなんて…もう絶対に考えられないな。

ぎゅー

「ユチョン?」
「美桜…ずっと俺のそばにいてくれる?」
「もちろん。急にどうしたの?」
俺は、腕の力を弱めて美桜の顔を見つめた。

「今俺は色々大変だし、美桜も仕事大変だし…。だから、今すぐは無理だけど…」
「う、うん。」
いったい何を言われるんだろう…とでも考えているのか、美桜は不思議そうな目で俺を見つめている。
「俺さ、美桜のいない人生なんか考えられないんだ。会えない時でも、美桜はいつも俺の中にいる。」
「…うん。私も同じだよ。」
「お互いさ、今は色々落ち着かないから、今すぐは無理だけど…。俺のそばに一生いてほしい。俺と結婚してほしいんだ…」
俺が言い終わらないうちから、美桜の目には涙が溜まりはじめていた。もう今にも溢れだしそうだ。

「…ユチョン…」
「泣いてるのは…悲しいからなの?」
俺はわざと「悲しいからなの?」と聞いた。美桜の顔を見れば、どういう理由で泣いているのかはわかる。

チュッ

えっ!?
美桜は俺に軽い口づけをした。
長い付き合いの中でもほとんどなかったことに、俺は驚いていた。
美桜は唇を離すと、顔を近づけたままで言ったんだ。

「そんなわけないじゃない。嬉しいの。私も一生ユチョンのそばにいたい。」

結婚を誓った俺と美桜は、その夜何度も愛し合った。
まさか、その夜が二人で過ごす最後の時間になるなんて…。

*****

ユチョンからのプロポーズを思い出すだけで、幸せな気持ちになる。
もちろん今すぐは無理だし、乗り越えなきゃいけない問題はたくさんある。だけど…私たちは一生一緒にいる。そう誓った。

仕事を終えて家に帰った私は、ユチョンの言葉を思いだしていた。

プルループルルー

あ、電話…誰だろ?
プライベート用のケータイがいきなり鳴り出した。私は、サファイアのストラップがついているケータイを取り、表示されている名前を見た。
その名前を見た瞬間、懐かしさと嬉しさでいっぱいになった。

「もしもし!」
私は、興奮ぎみな声で電話に出た。
『もしもし?美桜さん?久しぶりだね。』
「お久しぶりです!マネージャーさん、お元気ですか?」
『元気だよ。美桜さんは?』

電話をかけてきたのは、ユチョンの前の…『前の』とつけなきゃいけないのが悲しいけど…。
ユチョンの前のマネージャーさんだった。
私が大阪に行ってからは、一度も会ってないし連絡も取っていなかった。
それに、当然だけど、ユチョンが前の事務所を出てからは会う機会なんてなくなったし。

『美桜さんさ、近いうちに時間ある?俺、大阪に行く用事があるんだけど、その時に一緒に昼飯でもどうかと思って。』
「ホントですか!?いつですか!?時間なら作ります!」
こうして、約2年ぶりにマネージャーさんと再会することになった。
ユチョンの独立の話を聞いた時から悪い予感をたくさん抱いていたけれど、その予感が全て的中していることをマネージャーさんから聞かされることになる。

でも、そんなことは全く想像もしないで、私はただ純粋にマネージャーさんとの再会を喜んでいた。

つづく
by rin1119a | 2013-09-30 19:39 | プライド