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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

You are my sunshine 第17話

「えっ!?チェリムの衣装がなくなった!?どういうことですか!?」

楽屋に、私のマネージャーさんの声が響いた。
今日は、お披露目の日。しかも、生放送の番組だから余計に緊張している。
そんな想いで楽屋に行くと、衣装さんやメイクさんの様子がおかしい。
マネージャーさんが尋ねると、私の衣装がなくなってしまったらしい。一体誰がそんなことを…

「オンニ…どうしたらいいんですか…衣装がないなんて…」
「チェリム、大丈夫よ。落ち着きましょ。私も大声出して悪かったわ。…とにかく、まだ時間はあるから、別の物を用意してください。」
「はい!至急用意します!」
オンニが衣装さんたちにお願いすると、衣装さんたちは大慌てで動き始めた。

「その必要はありませんよ。」
慌ただしい雰囲気になっている楽屋内に、一際落ち着いた声が響いた。
「エ、エリさん!?どうしてここに!?」
「いたら悪い?私たちもあなたと同じ番組に出るのよ。」
「わ、悪いなんてそんな…驚いただけです…」

思いがけないエリさんの登場に、楽屋内の人たちは全員驚いていた。
新人専用のこの楽屋に、エリさんのような大物がいるなんて…。

「…はい、これがあなたの今日の衣装。私の予備の物よ。別に返さなくていいから。」
「え!?ちゃんと綺麗に洗濯して返します!ありがとうございます!助かります!」
「そんなお礼を言われるほどのことじゃないわよ。あなたにみすぼらしい格好でテレビに出られたら、私が恥ずかしいのよ。」
「え?」
「あなた、自分のキャッチフレーズ知らないの?『melodicの妹』ってマスコミはあなたを呼んでるの。あなたにみすぼらしい格好されちゃ、勝手に名前を使われてる私たちの恥なのよ。…だから……まあ…頑張りなさい。」

エリさん…本当に素敵な人…
私もこんな風になれるのかな?…絶対になりたい!

「はい!頑張ります!『melodicの妹』じゃなくて、melodicが『イ・チェリムのお姉さん』って言われるようなアーティストになります!」
私がそう言うと、エリさんの表情が固くなった。
…ヤバイ!私生意気なことを言ってしまった!

「…へぇーずいぶん生意気なこと言うようになったじゃない。越えられるものなら、越えてみなさい。楽しみにしてるわ。…じゃあ、私は自分の楽屋に戻るから。」
「はい!ありがとうございます!ピッカピカにして返します!」
「別に返さなくていいって言ってるでしょ。」

エリさんは、いつも通りカッコ良く去っていった。


*****

あともう少しで私の出番…緊張する…

「オンニ…どうしよう…生放送だよ…テレビだよ…ジェジュンオッパもいないし…」
「大丈夫よ!いつもの元気はどこに行ったの?大丈夫!衣装も似合ってるし、可愛いんだから自信もって!ジェジュンも応援してるんだから。」

今日ジェジュンオッパは、別の仕事で来れない。
オッパは私のプロデューサーさんだし、自分の仕事たくさんあるから、私にいちいち付き添うなんて無理に決まってる。
そんなことはわかっているけど、いつも一緒にいるのが当たり前だから側にいないと寂しい。なんだか不安で…。


「えっ!骨折!?」

自分の出番を待っていると、周りのスタッフさんが慌て始めた。
骨折?どうしたんだろう?
私はオンニと顔を見合わせながら、事態を見ている。


*****

「撮影中に怪我して…今病院にいるらしい…」
出演予定だったアイドル歌手が骨折で病院に運ばれたらしい。
突然の事態に、現場は騒然としている。

「どうする?出るの絶対無理じゃん。」
「melodicの出番早めて、歌の時間かトークを長くするか…」
「それは無理だ。ミオクが別の仕事で出番の直前じゃなきゃスタジオ入りできないって。」
「マジで…15分どうすんだよ…」
「……あの新人の子に何か歌わすか…」
「え!?本気で言ってるんですか!?」
現場のリーダーがとんでもないことを言い出した。
骨折した歌手の直前に出演する、あのイ・チェリムに歌わせる!?

「それしかないだろ。直前のあの子で時間潰す以外になんかある?」
「いや…思いつかないですけど…何歌わすんですか…いきなりなんて無理でしょ…」
「あの子は、『melodicのエリを凌ぐ天才』なんだろ?どんなもんか見てみるのも面白いだろ?」

面白いって…


*****

私が歌うことになってしまった…信じられない…ど、どうしよう…

「オ、オンニ…」
「大丈夫よ!いつも通り歌えば大丈夫だからね!………ジェジュン!?」

「チェリム!」
「オッパ!お仕事は!?」
「早めに終わったから、飛んできたんだ。それより、歌えるなんてラッキーじゃん!」
ラッキー?たしかに…そうかもしれない…。こんな歴史のある大きな番組で歌えるなんて…
ラッキー…うん!ラッキーだ!

「はい!しかも、歌う曲が私の大好きな曲なんです!頑張ります!」
「うん!元気がチェリムの一番の良さだからね。元気良く頑張るんだよ!」
「はい!」


*****

「みなさん、初めまして。イ・チェリムです。Cエンターテイメントから、来年1月15日に『ソレイユ』でデビューします。よろしくお願いします。」

チェリムは挨拶もしっかり済まして、司会者ともうまく話せている。あとは…歌だけだ。
彼女の歌をこんなに早く聞かせることができるなんて…

しかも…曲が最高に良い。
チェリム自身が好きなのもそうだけど…。
この曲は、10年前にヒットした曲で、サビの畳み掛けるような高音が肝だ。一般的には、かなり難しい曲と言われている。
だけど…高音域が得意で、抜群の声量を持つチェリムにはうってつけの曲なのだ。

「じゃあ、1曲歌ってもらいましょう。」
さあ…思う存分そのポテンシャルを発揮するんだ!


*****

なんだ!?こいつ!
本当に新人か!?

この曲を原曲キーで歌えるって…マジかよ…
俺たちスタッフは全員呆気にとられていた。いや…スタッフだけじゃない…その場にいる人間全員だ。

打ち合わせの時の子と、今歌ってるあの化け物が同一人物なんて信じられない…。

これほど堂々としたパフォーマンスをするなんて…しかもソロで…。
歌のことはわからないが…この子の歌は凄い…。
声が耳に残る。こんなに歌えたら、歌うの楽しいだろうな。

どこまで伸びるんだよ、この声!
しかも…練習なしで自分の持ち歌じゃない曲をこんなに歌えるなんて…。

しかも、絶対に本人より上手いぞ!


*****

「ありがとうございました!イ・チェリムをよろしくお願いします!」
歌が終わり、チェリムが挨拶をすると、凄まじい拍手が巻き起こった。
番組の出演者・スタッフ…その場にいる者全員が…。

「ジェジュン…私はとんでもない大物のマネージャーになったのね…凄いとは思っていたけど…まさかここまでだったとは…」
「ふふっ…ヌナ、チェリムをよろしくね。チェリムはヌナにすっかりなついてるし。」
「もちろんよ。私…この仕事を選んでよかったわ。あんなに素晴らしいアーティストを側で見れるんだから。」

そう。これは序章に過ぎない。
このパフォーマンスをきっかけに、チェリムはスターの階段を駆け上っていくことになる。


つづく
by rin1119a | 2013-11-29 16:56 | You are my sunshine