素直になりたい 第3話
2013年 12月 15日
「遅れてごめんね!」
「あー!!!まどかちゃんと、まりあちゃん!!!」
「げっ!!なんでアンタがここに!?」
まどかと一緒に、サークルの新入生歓迎会に行くと、何故か昨日のチャラ男がいる。
「アンタじゃなくて、ユチョンって呼んでね。俺、今日からこのサークルに入ったんだ。よろしくね。」
チャラ男はそう言って、まどかに握手をした。このチャラ男!
「…そうなんだ。よろしくね、ユチョンくん。」
押しに弱いまどかは、チャラ男と握手をしている。
まさか…サークルで関わることになるなんて…。
私は、こういうチャラチャラした男が嫌いなのよ!
ちょっと顔が良いからって調子に乗って、女の子全員にヘラヘラして!
今だって、まどかだけじゃなくて、この場にいる女子全員に声かけてるし。
「森ちゃん、怖い顔してどうしたの?」
「あ、ジュンス…あのチャラ男が…」
「ユチョンがどうかした?」
「え?あのチャラ男と知り合いなの?」
「うん。前言ったでしょ?韓国から俺の友達が留学してくるって。」
「え…あのチャラ男がジュンスの友達!?」
「チャラ男って(笑)たしかに、ユチョンは女の子大好きだけど(笑)カッコいいからモテるし。」
あんなチャラ男とジュンスが友達…ジュンスの友達だから、悪人ではないのかな。
でも、あのヘラヘラした顔を見ると、なんか腹立つのよね…。
「ジュンスー!俺も話に入れてよーまりあちゃんと話したいー」
げっ!チャラ男!
しかも、『まりあちゃん』呼びはやめて!
「パクくん、ジュンスと長い付き合いなんだね。」
「そうだよー小学校の時からの友達だからねー。まりあちゃんとまどかちゃんも、長い付き合いなんでしょ?家が隣同士だって、まどかちゃんがさっき言ってた。」
「あの…『まりあちゃん』はやめて。名字にしてくれる?」
「なんで?せっかくの可愛い名前なのに。森ちゃんより、まりあちゃんの方が可愛いよ。なあ、ジュンスもそう思うだろ?」
「う、うん。」
コイツに『まりあちゃん』と呼ばれると、ただでさえ嫌なこの名前がますます嫌になる。
「嫌なものは嫌なの!お願いだから、やめて!」
「森ちゃん!?」
私は、その場から逃げるために、御手洗いに行こうとした。
「え!……あ、ごめん…待って!まりあちゃんって呼ばないから、もうちょっと話そうよ!」
チャラ男…パクは驚いたような顔をしている。
「嫌!!」
「え!なんで!?俺なんかした!?待って!」
私は、チャラ男とジュンスを残し、その場から離れた。
*****
『森の下の名前って、‘まりあ’だろ?』
『知ってるー似合わないにもほどがあるだろ(笑)!』
『だよなー(笑)背でかいし、声低いし、力だってあるから男みたいなのになあー(笑)』
『気もめちゃくちゃ強いしな(笑)実は、アイツ男でさ、本名は‘まりあ’じゃなくて、‘まりお’なんじゃね(笑)?』
『あははーそうかもー(笑)』
中学生の頃、男子たちがそう笑っているのをたまたま耳にした。
もともとこの名前は大嫌いだったけど、この日以来、虫酸が走るほど大嫌いになった。
わかってる…私には似合わない名前なのは。
まどかみたいな女の子らしい子じゃなきゃ…。
*****
ガシッ
「えっ!?」
「はぁ…はぁ…やっと追い付いた。足速いね…」
店内には御手洗いがないから、一旦店を出て、同じビルの中のトイレに行こうかと思えば…
「何よ!わざわざ追っかけてきたの!?しかも、手離してよ!」
「そうだよ。俺、何か気にさわること言った?なんか、ずっと俺に対して刺がある気がするし。」
チャラ男は、真剣な顔で話す。
「別に。私、アンタみたいなチャラチャラした男が嫌いなだけだから。」
「はあー!?」
「ちょっと顔が良いからって、女はみーんな自分にホイホイ付いてくるなんて、思わないでね!」
「思ってないし!」
「思ってるでしょ!?今だって、私がアンタにメロメロにならないから、気に入らなくて追っかけてきただけでしょ?」
私がここまで言うと、チャラ男の端正な顔は歪み始め、口調は荒くなりだした。
「違うし!お前がいきなり飛び出したから、気にさわることでも言ったんじゃないかって心配になっただけだよ!それだけなのに、何だよ!?この自意識過剰女!」
「何よ!アンタさっきから女の子全員に話しかけて、片っ端からアドレス聞いてるじゃない!」
「それの何が悪いんだよ!?同じサークルなんだから、アドレスくらい聞いていいだろ!」
「ふん!別にいいけど、まどかには手を出さないでね!」
「はあー!なんで、お前にそんなこと言われなきゃなんないんだよ!?お前、まどかちゃんの何なんだ!?」
「ボディーガードよ!アンタみたいな女好きには、指一本触れさせないわ!」
「男が女好きで何が悪いんだよ!だいたい、ボディーガードとか何だよそれ!?」
「認めたわね!女好きのチャラ男ってこと!」
「そういう意味じゃねえよ!男はみんな女が好きなんだよ!」
このあと、私たちの言い争いはどんどんヒートアップしていき、ジュンスが止めに来るまで終わらなかった。
ふん!化けの皮が剥がれたわね!
他の女の子の前では、王子様面してるのに、実際は全然じゃない!
口悪いし!
こんな奴にまどかは渡さないわ!
つづく
「あー!!!まどかちゃんと、まりあちゃん!!!」
「げっ!!なんでアンタがここに!?」
まどかと一緒に、サークルの新入生歓迎会に行くと、何故か昨日のチャラ男がいる。
「アンタじゃなくて、ユチョンって呼んでね。俺、今日からこのサークルに入ったんだ。よろしくね。」
チャラ男はそう言って、まどかに握手をした。このチャラ男!
「…そうなんだ。よろしくね、ユチョンくん。」
押しに弱いまどかは、チャラ男と握手をしている。
まさか…サークルで関わることになるなんて…。
私は、こういうチャラチャラした男が嫌いなのよ!
ちょっと顔が良いからって調子に乗って、女の子全員にヘラヘラして!
今だって、まどかだけじゃなくて、この場にいる女子全員に声かけてるし。
「森ちゃん、怖い顔してどうしたの?」
「あ、ジュンス…あのチャラ男が…」
「ユチョンがどうかした?」
「え?あのチャラ男と知り合いなの?」
「うん。前言ったでしょ?韓国から俺の友達が留学してくるって。」
「え…あのチャラ男がジュンスの友達!?」
「チャラ男って(笑)たしかに、ユチョンは女の子大好きだけど(笑)カッコいいからモテるし。」
あんなチャラ男とジュンスが友達…ジュンスの友達だから、悪人ではないのかな。
でも、あのヘラヘラした顔を見ると、なんか腹立つのよね…。
「ジュンスー!俺も話に入れてよーまりあちゃんと話したいー」
げっ!チャラ男!
しかも、『まりあちゃん』呼びはやめて!
「パクくん、ジュンスと長い付き合いなんだね。」
「そうだよー小学校の時からの友達だからねー。まりあちゃんとまどかちゃんも、長い付き合いなんでしょ?家が隣同士だって、まどかちゃんがさっき言ってた。」
「あの…『まりあちゃん』はやめて。名字にしてくれる?」
「なんで?せっかくの可愛い名前なのに。森ちゃんより、まりあちゃんの方が可愛いよ。なあ、ジュンスもそう思うだろ?」
「う、うん。」
コイツに『まりあちゃん』と呼ばれると、ただでさえ嫌なこの名前がますます嫌になる。
「嫌なものは嫌なの!お願いだから、やめて!」
「森ちゃん!?」
私は、その場から逃げるために、御手洗いに行こうとした。
「え!……あ、ごめん…待って!まりあちゃんって呼ばないから、もうちょっと話そうよ!」
チャラ男…パクは驚いたような顔をしている。
「嫌!!」
「え!なんで!?俺なんかした!?待って!」
私は、チャラ男とジュンスを残し、その場から離れた。
*****
『森の下の名前って、‘まりあ’だろ?』
『知ってるー似合わないにもほどがあるだろ(笑)!』
『だよなー(笑)背でかいし、声低いし、力だってあるから男みたいなのになあー(笑)』
『気もめちゃくちゃ強いしな(笑)実は、アイツ男でさ、本名は‘まりあ’じゃなくて、‘まりお’なんじゃね(笑)?』
『あははーそうかもー(笑)』
中学生の頃、男子たちがそう笑っているのをたまたま耳にした。
もともとこの名前は大嫌いだったけど、この日以来、虫酸が走るほど大嫌いになった。
わかってる…私には似合わない名前なのは。
まどかみたいな女の子らしい子じゃなきゃ…。
*****
ガシッ
「えっ!?」
「はぁ…はぁ…やっと追い付いた。足速いね…」
店内には御手洗いがないから、一旦店を出て、同じビルの中のトイレに行こうかと思えば…
「何よ!わざわざ追っかけてきたの!?しかも、手離してよ!」
「そうだよ。俺、何か気にさわること言った?なんか、ずっと俺に対して刺がある気がするし。」
チャラ男は、真剣な顔で話す。
「別に。私、アンタみたいなチャラチャラした男が嫌いなだけだから。」
「はあー!?」
「ちょっと顔が良いからって、女はみーんな自分にホイホイ付いてくるなんて、思わないでね!」
「思ってないし!」
「思ってるでしょ!?今だって、私がアンタにメロメロにならないから、気に入らなくて追っかけてきただけでしょ?」
私がここまで言うと、チャラ男の端正な顔は歪み始め、口調は荒くなりだした。
「違うし!お前がいきなり飛び出したから、気にさわることでも言ったんじゃないかって心配になっただけだよ!それだけなのに、何だよ!?この自意識過剰女!」
「何よ!アンタさっきから女の子全員に話しかけて、片っ端からアドレス聞いてるじゃない!」
「それの何が悪いんだよ!?同じサークルなんだから、アドレスくらい聞いていいだろ!」
「ふん!別にいいけど、まどかには手を出さないでね!」
「はあー!なんで、お前にそんなこと言われなきゃなんないんだよ!?お前、まどかちゃんの何なんだ!?」
「ボディーガードよ!アンタみたいな女好きには、指一本触れさせないわ!」
「男が女好きで何が悪いんだよ!だいたい、ボディーガードとか何だよそれ!?」
「認めたわね!女好きのチャラ男ってこと!」
「そういう意味じゃねえよ!男はみんな女が好きなんだよ!」
このあと、私たちの言い争いはどんどんヒートアップしていき、ジュンスが止めに来るまで終わらなかった。
ふん!化けの皮が剥がれたわね!
他の女の子の前では、王子様面してるのに、実際は全然じゃない!
口悪いし!
こんな奴にまどかは渡さないわ!
つづく
by rin1119a
| 2013-12-15 13:50
| 素直になりたい