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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

プライド 第27話

*2014年8月 東京*


美桜の左手の薬指には、ダイヤがキラキラ光っている。
ストラップのサファイアの光になんか負けやしない。

2週間前、俺は美桜にプロポーズをした。
ロマンティックさなんて欠片もない言葉で、自分のヘタレっぷりを呪いたくなった。
でも、美桜は…
「亮らしくてストレートな言葉ありがとう。私で良ければずっとよろしくね。」
と笑顔でOKしてくれた。


俺たちは結婚へ向けて一緒に住むことにした。

同棲を提案したのも俺だし、式の用意も俺主導で急ピッチで進めている。


そんな俺に美桜は
「亮、仕事忙しいのに、結婚の準備進めてくれてありがとう。無理してない?
そんなに急がなくても、私は大丈夫だよ。だから、もう少しゆっくり二人で準備しない?」
と言う。

違うんだ。
俺は不安なんだ。
早く結婚しなきゃ、早く式を挙げて『美桜は俺のものだ』と周囲に見せなければ、お前が俺のそばからいなくなりそうな気がするんだ。

だから、急いでるんだ。

『そんなに急がなくても、私は大丈夫だよ。』
俺を気遣って言ってくれている言葉すら、不安に感じる。



*****


「荷物整理くらい自分でできるよ。亮はたまには休まないと。」
「荷物整理なんてたいした負担じゃないし、お前といたいからな。」
「そう?ならいいけど、無理はしないでね。」

明日は、美桜が俺の家に来る日だ。
明日から俺たちは同棲を始める。

これでいい。
これがいいんだ。

ふと、美桜の寝室に入った。
荷物の入った段ボールが集められていた。
ガムテープで閉められていない。まだ荷物を入れるのか?

俺は美桜に「段ボール閉めていい?」と聞かなかった。
いくつかある段ボールのうち、一つだけ気になるものがあったからだ。

ずいぶん可愛らしい箱が入っている段ボール。
その箱には、10年ほど前に流行っていたキャラクターが描かれている。


大学生カップルを見て微笑んでいた美桜…
10年前流行っていたキャラクター

古びたサファイアのついたストラップ…

この箱は開けてはいけない!

そう直感した。

でも、俺はその箱を開けてしまった。
開けてはいけなかったパンドラの箱を…。


つづく
by rin1119a | 2013-09-23 14:23 | プライド