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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

プライド 第33話

*2014年8月 東京*

俺は、美桜の寝室でキャラクターの描かれている箱を開けてしまった。

そこにはネックレスやブレスレットなどが入っていて、それらを取り出すとたくさんの写真が出てきた。

その写真の中の一枚は、東京タワーをバックに写されている。そこには、まだ幼さの残る美桜が照れくさそうな顔で写っていた。

「わぁ…めちゃくちゃ可愛い…」

思わず俺はそう呟いていた。
今でこそ、落ち着いた和風美人だが、さすがに10年近くも前だと幼さが残っている。
可愛い…モテたんだろうな…。
美桜は鈍感だから全く気づいてないだろうけど。

そんな風にのんきに見とれていたのも、すぐに終わった。
美桜は一人で写っていなかった。美桜の隣には、男が写っていた。しかも、美桜の肩を抱いて。

見るからに人が良さそうで背の高いその男は、とても穏やかな優しい笑顔を浮かべている。

誰かに説明されなくてもわかる。
写真の二人は恋人同士で、お互いをとても大切に思ってること。
そして、この二人には誰かが割って入る隙間などないことも。

同じ男と写っている写真が何枚もある。写真には、色んな美桜がいた。

まだ幼さの残る可愛い美桜。
少し大人っぽくなった美桜。
ハッとするほど美しくなった美桜。

可愛く清楚な女の子から、美しく色気のある女性へと変わっていく様子がよくわかる。
この写真の男とは、1年や2年の付き合いではなかったのだろう。

若い美桜の思い出の全てには、この男がいる…。


パラッ

「ん?なんだ?」

写真を漁っていると、中から1枚の白い紙が出てきた。二つ折りにされているその紙を開けてみる。


きのうは、ごめんなさい。
えらい人におこられましたか?
ぼくは、パク・ユチョンといいます。
きみのなまえは?
ともだちになりませんか?

パク・ユチョン
090-〇〇〇〇-〇〇〇〇
*****@softbank.ne.jp


どういう状況かはよくわからないが、この紙が写真の男と美桜の始まりであることは明らかだ。

美桜は、こんな物たちを未だに大切に持っていて、俺と住む家にまで持っていこうとしているのか…。

悲しみとも怒りとも名付けられない、複雑で汚い感情が俺を支配していた。

次の瞬間、俺はリビングにいる美桜に叫んだ。

「美桜!!この箱捨てろ!」

美桜はすぐに俺のもとにやってきた。
俺の手にあるのは、あの箱。
写真の男…パク・ユチョンとの思い出がいっぱい詰まっている箱。

俺・箱・床に散らばっている写真たちを見る美桜の目を見た瞬間、俺たちの関係が終わりを告げることを予感した。

素直に叫べよな。俺みたいに。
「捨てないで!」って。
どうせ捨てられないんだろ?
なあ、美桜。自分がどんな表情してるかわかるか?
お前、今にも泣きそうだぞ。


つづく
by rin1119a | 2013-09-27 11:27 | プライド