プライド 第46話
2013年 10月 01日
『ユチョン…私たち離れた方がいいと思うの。』
久しぶりの美桜からの電話は、俺をどん底に突き落とすものだった。
*****
俺たちは日本での活動ができなくなったから、日本から撤退し、韓国に生活拠点を置くことになった。
しばらくは、多分美桜に会えない。
韓国では裁判もあるし、音楽活動はしにくくなったけど他の仕事はある。今、韓国を離れられる状況ではない。
そんな俺の状況を説明して、
「だけど、今の気持ちはプロポーズした時のまんまだよ。ずっと愛してる。しばらく会えないけど、信じて待ってて。会えない分、電話とメールをいっぱいしよ。」って美桜に伝えようと思った。
そう思っていた時に、美桜から電話がかかってきた。
話がある…と。
俺は美桜の話を先に聞くことにした。そんな俺の耳に入ってきたのは、信じられない言葉だった。
*****
「美桜!?離れた方がいいってどういうこと!?いきなりなんで!?」
俺はいきなりのことに完全に取り乱していた。
『ユチョンも私も今大変でしょ?だから…』
美桜は言葉を詰まらせている。
別れるなんて…そんなの絶対に嫌だ!なんで好きなのに別れなきゃいけないんだよ!
「美桜?俺のこと…好きじゃなくなった?嫌いになったの?」
『違う!そうじゃない!好きよ!大好きだよ!でも…』
「だったら別れるなんて言わないでよ!ずっと一緒にいる…一生一緒にいるって約束したでしょ?」
俺の言葉に美桜は涙声でこたえた。
『好きなだけじゃ…一緒にいれないよ…。私たち…もう子供じゃないんだから…。』
「お互い色々大変なの気にしてるの?それなら、大変な時だからこそお互い支えあえばいい。美桜、もっと俺に頼ってよ。」
俺の話を美桜は静かに聞いている。しばらく無言になった後、美桜は言った。
『私…ユチョンだけじゃなくて…自分以外の人を支えたり守ったりする余裕がないの…。自分が壊れないようにするのが精一杯なの。私は、一緒にいてもユチョンを支えられない。ユチョンの負担にしかならないの。』
「美桜が俺の負担になんかなるわけないよ!俺が美桜を支えたいんだ。守りたいんだ。だから、負担にしかならない…なんて言わないで。」
俺は美桜を離したくなくて、自分の想いを必死に伝えた。
きっと伝わると信じて…。
『…ユチョン、ありがとう。気持ちはすごく嬉しい。でも…私だけじゃなくて、ユチョンもでしょ?ユチョンも、自分以外の人を支えたり守ったりする余裕なんてないでしょ?私…最近やっとその事に気づいたの。』
「俺は大丈夫だよ!美桜は俺の心配なんてしないで!」
俺の必死の叫びを美桜は静かに聞いていた。
少しの沈黙の後、美桜はなるべく感情を込めないように頑張っているのが丸わかりな声で言った。
『ごめんなさい。もう私たちはダメだよ。納得してもらえないかもしれないけど。今までありがとう。さようなら。』
「美桜!美桜!」
電話を切られた後も、俺は美桜の名前を呼び続けていた。
*****
その電話の数時間後、美桜から「いきなりごめんなさい。ユチョンのこと大好きだけど、もうダメなの。今までありがとう。」というメールがきた。
そんな電話とメールなんかで納得できるわけない俺は、美桜に電話とメールをし続けた。
でも、数日後には連絡がつかなくなった。多分、ケータイを変えたんだと思う。
こうして、俺と美桜は終わった。
今でも俺は納得していない。
だけど、俺が納得していてもしていなくても、美桜が俺のそばからいなくなったことは紛れもない事実だった。
美桜…どうして?
大好きって言ってたじゃん。
一生一緒にいる…って言ってたじゃん。
俺は美桜をまだ愛してるのに。
つづく
久しぶりの美桜からの電話は、俺をどん底に突き落とすものだった。
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俺たちは日本での活動ができなくなったから、日本から撤退し、韓国に生活拠点を置くことになった。
しばらくは、多分美桜に会えない。
韓国では裁判もあるし、音楽活動はしにくくなったけど他の仕事はある。今、韓国を離れられる状況ではない。
そんな俺の状況を説明して、
「だけど、今の気持ちはプロポーズした時のまんまだよ。ずっと愛してる。しばらく会えないけど、信じて待ってて。会えない分、電話とメールをいっぱいしよ。」って美桜に伝えようと思った。
そう思っていた時に、美桜から電話がかかってきた。
話がある…と。
俺は美桜の話を先に聞くことにした。そんな俺の耳に入ってきたのは、信じられない言葉だった。
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「美桜!?離れた方がいいってどういうこと!?いきなりなんで!?」
俺はいきなりのことに完全に取り乱していた。
『ユチョンも私も今大変でしょ?だから…』
美桜は言葉を詰まらせている。
別れるなんて…そんなの絶対に嫌だ!なんで好きなのに別れなきゃいけないんだよ!
「美桜?俺のこと…好きじゃなくなった?嫌いになったの?」
『違う!そうじゃない!好きよ!大好きだよ!でも…』
「だったら別れるなんて言わないでよ!ずっと一緒にいる…一生一緒にいるって約束したでしょ?」
俺の言葉に美桜は涙声でこたえた。
『好きなだけじゃ…一緒にいれないよ…。私たち…もう子供じゃないんだから…。』
「お互い色々大変なの気にしてるの?それなら、大変な時だからこそお互い支えあえばいい。美桜、もっと俺に頼ってよ。」
俺の話を美桜は静かに聞いている。しばらく無言になった後、美桜は言った。
『私…ユチョンだけじゃなくて…自分以外の人を支えたり守ったりする余裕がないの…。自分が壊れないようにするのが精一杯なの。私は、一緒にいてもユチョンを支えられない。ユチョンの負担にしかならないの。』
「美桜が俺の負担になんかなるわけないよ!俺が美桜を支えたいんだ。守りたいんだ。だから、負担にしかならない…なんて言わないで。」
俺は美桜を離したくなくて、自分の想いを必死に伝えた。
きっと伝わると信じて…。
『…ユチョン、ありがとう。気持ちはすごく嬉しい。でも…私だけじゃなくて、ユチョンもでしょ?ユチョンも、自分以外の人を支えたり守ったりする余裕なんてないでしょ?私…最近やっとその事に気づいたの。』
「俺は大丈夫だよ!美桜は俺の心配なんてしないで!」
俺の必死の叫びを美桜は静かに聞いていた。
少しの沈黙の後、美桜はなるべく感情を込めないように頑張っているのが丸わかりな声で言った。
『ごめんなさい。もう私たちはダメだよ。納得してもらえないかもしれないけど。今までありがとう。さようなら。』
「美桜!美桜!」
電話を切られた後も、俺は美桜の名前を呼び続けていた。
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その電話の数時間後、美桜から「いきなりごめんなさい。ユチョンのこと大好きだけど、もうダメなの。今までありがとう。」というメールがきた。
そんな電話とメールなんかで納得できるわけない俺は、美桜に電話とメールをし続けた。
でも、数日後には連絡がつかなくなった。多分、ケータイを変えたんだと思う。
こうして、俺と美桜は終わった。
今でも俺は納得していない。
だけど、俺が納得していてもしていなくても、美桜が俺のそばからいなくなったことは紛れもない事実だった。
美桜…どうして?
大好きって言ってたじゃん。
一生一緒にいる…って言ってたじゃん。
俺は美桜をまだ愛してるのに。
つづく
by rin1119a
| 2013-10-01 18:54
| プライド