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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

プレゼント(前編)~プライド番外編~

「こんにちはー。」
今日は、サークルの活動で来させてもらっている保育園にやって来ている。
私は卒業が近づいていて、こうしてサークル活動ができるのもあと少しだ。

子供たちはみんな可愛いけど、ここの保育園にいる女の子は特に可愛い。
4月からはあの子も年長さん。あの子の成長をもっと見たいけど…。


「うぅー違うー!」
あの子の姿を探していると、なんだかイライラしてるような声が聞こえてきた。

その声の方へ行ってみると、彼女は何やら真剣に絵を描いていた。そんな彼女の周りには、ぐちゃぐちゃに丸くされた白い画用紙がたくさんある。

紙を開いて見てみると、『まま』と書いてある横に可愛らしい女の人が描かれてあった。すごく上手なのに、どうしてこんなにぐちゃぐちゃに…。

「あやめちゃん、こんにちは。お絵描きしてるんだ。」
「茉莉子おねえちゃーん!上手にかけないの…たすけてー」
「えっ?すごく上手よ?」
「違うの!!あやめのママはもっときれいなの!」
あやめちゃんの主張には、納得させられるものがある。
あやめちゃんは子供特有の可愛さもあるんだけど、まだ子供なのにすごく綺麗な顔立ちをしている。
きっと将来美人になるんだろうなぁ…と思うし、ご両親が綺麗な顔の方なんだろうなぁ…と思う。

うらやましいなぁ。
あやめちゃんのお母さんは、二次面接の面接官のあの人…寺川さんのような綺麗な方だと、私は勝手に想像している。
寺川さん…本当に綺麗だった。女の私でも見とれてしまった。
あの人と同じ支店で働けたら嬉しいな…。まあ、そんな希望通りになるわけないだろうけど。

「そうなんだーあやめちゃんのママすごく綺麗なんだね。」
「うん!すっごく綺麗なの!優しいし、可愛いし!あやめ、ママ大好き!」
あやめちゃん、本当に可愛いよー。お母さんが愛情たっぷりに育ててるんだろうなぁ。

あれ?でも、なんで今の時期にママの絵を?母の日でもないのに…。
「あやめちゃん、今日ママのお誕生日なの?」
「違うよ。ママのお誕生日は9月20日。」
「そうなんだ。」
母の日でも誕生日でもないのに、どうしてママの絵をこんなに一生懸命描いてるんだろう?

「あのね、ママがね4月から…えっと…えっと…」
「何?」
「偉くなるの!」
「偉くなる?」
…あ、もしかして、あやめちゃんのお母さんが出世するってこと?そのお祝いに絵をプレゼントするのかな?
言われてみれば、あやめちゃんの描いてるママはスーツを着ている。

「じゃあ、偉くなるお祝いに絵をプレゼントするんだね。」
「うん!深田のおにいちゃんにもプレゼントしなきゃいけないから、あやめ大変なのー。」
「深田のおにいちゃん?」
「うん!ママのお友だち。カッコいいおにいちゃんなの!」
じゃあ、その人も偉くなるのね。

「あやめちゃん、紙芝居終わったら、私少しだけお手伝いできるよ。紙芝居終わってから、一緒に描こうね。」
「うん!」
「じゃあ、紙芝居がもうすぐ始まるから、一緒にお片付けしよっか。」
「はーい!」
可愛いなぁ。癒されるなぁ。


*****

「ママも深田のおにいちゃんも、同じになるの。」
「同じ?」
紙芝居の後、あやめちゃんと二人でママの絵と深田さんの絵を描いていると、あやめちゃんが急に話しはじめた。

「ママと深田さんが同じ場所で働くの?」
「違うー。ママも深田のおにいちゃんも、えっと…えっと…てんちょうさんになるの!」
「そうなんだーあやめちゃんのママも深田さんもすごいんだね。」
「うん!ママも深田のおにいちゃんも、すごいんだよ!」

店長だなんてすごいのね。しっかりお祝いしないとね。
「あやめちゃん、白いところに『てんちょうおめでとう』って書こっか。お姉ちゃんが文字教えるから。」
「書く書くー!茉莉子おねえちゃん、ありがとう!」

こうして、『てんちょうおめでとう』と書かれたママの絵と深田さんの絵は完成した。
私が帰る時、あやめちゃんはとびきり可愛い笑顔で『茉莉子おねえちゃん、ありがとう!茉莉子おねえちゃん大好きー!またあやめと遊んでね!』と言ってくれた。
本当に可愛い!

あやめちゃんのお母さんも深田さんもきっと喜ぶだろうな。
私は、とても温かい気持ちで保育園を出たのだった。


後編につづく
by rin1119a | 2013-11-02 10:15 | プライド(番外編)