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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

運命の人 第19話

「良い話だったね。」
「はい!うさちゃん可愛かったですー。」
今日は茉莉子の好きなジ○リの最新作を観に行った。
俺は、映画よりも茉莉子の方をずっと見てたけど。
映画をキラキラした目で見てる姿が可愛すぎた。

茉莉子がうちの支店に配属されてきてから、ずっと気になってた。
外回りから帰ってきた時に、彼女から『お疲れさまです』の言葉と共に飲み物を渡されるのが楽しみになったのは、いつからだったっけ。

何度もデートを断られてもしつこくアプローチをし続けた甲斐があって、彼女と付き合えることになった。

でも…1ヶ月経った今でも、茉莉子は俺をただの先輩としか思っていない。
一緒にいたらわかる。付き合ってるから俺のことを好きだろ?…なんて思うほど、俺はオメデタイ人間じゃない。
付き合う…なんてただの形式でしかないことを、俺はこの1ヶ月ほどで実感している。

時々、茉莉子が憂いを帯びた表情をすることがある。…俺に向けられてる表情ではない。
その表情もすごく魅力的で、初めて見たときは『こんな表情をするのか…』と見いってしまった。
でも…その表情の理由を俺は茉莉子に聞けないし、聞くのも怖い。

たとえ形式でしかなくても、茉莉子を離したくない。
茉莉子を自分のものにしたい。

『一歩進むのくらいはいいんじゃないか?』
支店長の言葉が俺の頭を駆け巡る。
支店長のようなスマートで大人な男なら、きっとすぐに振り向いてもらえるだろうけど…。
仕事でもそうだけど、プライベートでも支店長のような男になりたい…と最近ますます思うようになった。

一歩進む…本当に一歩だけなら…

「………山口さん?どうかしました?」
「………ん?あ、ごめん!何でもない!」

『山口さん』…か…
一歩だけなら…いいよな。
茉莉子の手をサッと握って、俺はスタスタと歩きだした。


*****

大好きなジ○リの最新作を観た後、とても綺麗な夜景が見える場所に連れてきてもらった。

「わぁー綺麗ー!」
「だろ?ここ穴場なんだ。」
山口さんが言う通り、こんなに綺麗な夜景が見えて、時間もそこまで遅くないのに、私たち以外の人がいない。
本当に穴場ね。

「茉莉子…」
「はい…」
「…俺といるの楽しい?」
「はい!」
どうしたんだろう?何だか元気がないような…
「…ありがとう。本当に?」
「もちろんです!」
山口さんと一緒にいるのは本当に楽しい。面白い話たくさんしてくれるし。

私のその返事をした後、何故か会話が途切れた。
遠くの方で聞こえる車の音くらいしか聞こえない。
どうしたんだろう?いつもは山口さんたくさん喋るのに。
別に会話がないのは構わないんだけど、いつもの空気とは全然違うから戸惑う。

「…茉莉子…俺…茉莉子にもっと近づきたいんだ…」
「え?…………アッ…うぅ…」
私は言葉の意味がよくわからなくて返事をできずにいると、私の唇に山口さんは自分の唇を重ね…

えっ!?

唇同士を重ねるだけじゃなくて、彼の舌が私の口に入ってきた。
突然なうえに、初めてだから、完全に思考停止状態だ。
「ハァ…ぁぁ…山口さん…」
離してほしい…という想いを伝えようと、呼吸が荒くなった状態で何とか彼の名前を呼んだ。

その瞬間、いつもと全く違う目をした彼と目があった。
山口さん…いつもと違う…怖い…
でも…唇は離れた…そうほっとした瞬間だった…

スッ…

「…………!?やめて!いやぁー!」
「!?」
山口さんが自分の手を私の服の中に入れ、直接私の胸を揉んだのだ。
恐怖で涙が溢れそうになった。
しばらくお互い何もしゃべらずにいると…

「…ごめん…」
彼はそれだけ言って去っていった…。


山口さんがいくら優しいからって、付き合ってる女性にこういうことをするのは当たり前……
突然でビックリして…今も呆然としているけれど…
突然で初めてだから…驚いただけよ…きっと次は大丈夫…
大丈夫…よ。


*****

『一歩進むのくらいはいいんじゃないか?』
情けないことに、俺は自分の言ったことを後悔していた。
悩んでいる山口に言ったこと…間違ってないよな?

彼女はまだ若い。30後半の俺なんかより、同じくらいの年の山口の方が良いに決まってる。
山口も別に結婚してもおかしくはない年齢だが、俺ほど重くはない。

もう36になる俺とどうこうなんてなったら、まだ若い彼女には重たい『結婚』という言葉を意識させることになる。

そんな重たい付き合い嫌だろ…。
…って付き合う前提で言ってるけど、あの子にとって俺はただの上司でしかない。

俺が自分の気持ちにブレーキかければいいだけのこと。
大丈夫だ。まだちょっと気になってるだけだ。こんなのすぐにおさまる。

山口は良い奴だ。他のよくわからない男なら嫌だが、アイツなら大丈夫だ。
俺は若い二人を応援しておけばいい。


つづく
by rin1119a | 2013-11-19 13:10 | 運命の人