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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

You are my sunshine 第13話

ソヒョンが辞める…
昨日のソヒョンの言葉を、どうしても受け入れられない…。
どうして?どうして?

今日のレッスンは、歌もダンスも散々だった。特に歌の方は、先生が途中で帰ってしまった。
一人取り残された私は、呆然としていた。

帰ろう…練習する気にならない。

「帰るの?あなたらしくないわね。」
「…エリさん…」
帰ろうとした私に話しかけてきたのは、エリさんだった。

「私は、別にあなたのことなんかどうでもいいけど、ずいぶん浮かない顔してるじゃない?どうかしたの?」
「…………」
「まあ、話したくなかったら別にいいけどね。」
「…エリさん……私なんか…デビューしていいんですか?」
「何?どういうこと?」
「ソヒョンが…ソヒョンが辞めるのに私だけデビューするなんて…」
「ちょっと!落ち着いて?泣かないで!私のわかるように説明して。」
私は、エリさんの前で大号泣し始めてしまった。


*****

チェリムの様子を覗きにレッスン場に来てみると、彼女はずいぶん元気がない。普段は能天気なくせにどうしたのかと思えば…

はぁ…なんで、私がこんな子の悩み相談に乗らなきゃいけないのよ…。
しかも…『友達が辞めるのに、私だけデビューするなんて…』って…この子本当にこの世界のことわかってないのね。
まあ、それをいちいち教えてあげる義務は私にないけど。

「…ぐすん…エリさん…すみません…ぐすん…」
「別にいいわよ。私に謝る暇があるなら、その友達があなたに言った言葉の意味をよく考えなさい。」
「え?」
「『私、あのイ・チェリムと一緒にレッスンしてたのよ…て自慢できるようなアーティストになってね』って言葉の意味。その意味を理解できたら、そんな腑抜けになってる暇なんかないと思うけど?」
「………」

あー!本当にこの子恵まれてるのね!イライラしてくるわ!
「夢を諦めた人の気持ちを考えて、ウジウジしてるなんて…諦めた人には一番してほしくないことよ。」
「………」
「チャンスを掴んだ人間は、諦めた人の分まで頑張る義務がある。……あとは、自分で考えなさい。私、仕事あるから。」

わけがわからないという表情をしているチェリムを残して、私はその場を去った。
なんで、私はあんな子の世話をやくのよ…。はぁ…何やってるんだか…。


*****

エリさんが去った後、私はレッスン場に残ってエリさんの言葉の意味を考えていた。
そして、ソヒョンの言葉の意味を…

「チェリム!」
「ジェジュンオッパ…」
「どうしたの?何かあった?さっき、歌の先生から話聞いて心配になって…」
「オッパ…ソヒョンが事務所辞めるんです…歌もダンスも辞めるんです…。」
「そっか。寂しいね。チェリムはその子と仲良しだもんね。」
オッパは、いつも通り優しく話を聞いてくれる。

「ソヒョンの方が歌もダンスも上手なのに…私なんかがデビューしていいんですか?」
私がそう言うと、オッパの表情が険しくなった。
「…チェリム…これから先、いくらでもそんなことあるよ。」
今まで見たことのない険しい表情で、オッパは言った。

「チェリムは、普通の人よりオーディションを受けた回数が少ないし、人より早くデビューが決まった。だから、実感がないのは仕方ないと思う。」
「…はい…」
「でも…デビューしたい人は一体どれだけいると思う?チェリムは、そのソヒョンちゃんのことしか気にしてないけど、チェリムがデビューするのは…他のデビューしたい人全員のチャンスを潰してることになるんだよ。」

私がデビューするのは…他のデビューしたい人全員のチャンスを潰してる…。
たしかにその通りだ…。

「チェリムは優しいから、そんな人たちのことを考えるだろうけど…」
「…はい。」
「それは、優しさなんかじゃない。」
「え…」
ジェジュンオッパは、厳しい口調で話を続ける。

「俺も…今はたくさんの人の前で歌えてるけど、数えきれないくらいオーディションに落ちてきたんだ。悔しかった。本当に悔しかった。なんで自分はダメなんだろうって。でも…自分が落ちたオーディションに合格した人が活躍してるのを見ると、元気になれた。」
「え?元気になれた?」
「俺は、こんな凄い人と同じ場所にいたのか。俺も負けられないな!…って」

『チャンスを掴んだ人間は、諦めた人の分まで頑張る義務がある。』
エリさんの言葉が蘇る。
『私、あのイ・チェリムと一緒にレッスンしてたのよ…て自慢できるようなアーティストになってね』
ソヒョン…一体どんな気持ちでこう言ってくれたのだろう。

「チェリム…俺は思うんだ。
俺のせいで…て言い方もおかしいけど…俺のせいで夢を諦めた人の気持ちも、俺は背負ってる。ソヒョンちゃんは、夢を諦めたけど、チェリムに自分の夢を託したんだ。」
ソヒョンが私に夢を託した…

「これから先、チェリムはたくさんの人を追い抜かす。でも、それを申し訳ないなんて思っちゃいけないよ。申し訳ないなんて思う暇があるなら、頑張れ。チェリムが頑張ることが、その人たちへの礼儀だよ。」

…私…何を考えていたんだろう。
そうだ…私…頑張らなきゃいけないんだ!
歌手になりたくてオーディションを受けて、その夢を叶えるチャンスをもらえたのだから。頑張らなきゃ、応援してくれてる人にも、同じ夢を目指してる人にも顔向けできない。

「オッパ…私…一流のアーティストになります。韓国を代表するアーティストになります!」
「うん。絶対になれるからね!二人で頑張るんだ。そうと決まったら、ちょっとだけ二人で練習しよう!」
「はい!」


*****

「チェリムちゃんが心配なら、素直にそう言えばいいのに(笑)」
「ユチョンオッパ…いつのまに…べ、別に心配なんかしてません!」
「へぇーわざわざ車を待たせてまで、チェリムちゃんの様子を見に来たくせに(笑)?」
「ち、違いますよ!」
エリは、早口で去っていった。

違いますよ…って(笑)
ツンケンしてるように見えて、意外と世話焼きなんだよな(笑)
まあ、素直に心配してるとか、気にしてるとか言えないのがエリらしいか(笑)


つづく
by rin1119a | 2013-11-22 20:51 | You are my sunshine