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JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

運命の人 第24話

俺…何やってんだよ…

いつもおっとりしてる茉莉子があんな声出すなんて…そんなに支店長が良いのかよ…
そう考えたら、今まで抱え込んでいたものが爆発してしまった。

支店長が良い人なのはわかってるよ。
俺は、学生の頃、うちの会社の説明会で支店長と話したことがあるんだ。支店長(その頃は新卒採用担当だった)はめちゃくちゃかっこよくて、『俺はこんな人になりたい!社会人ってカッコいい!』と憧れた。

入社3年目の今年、支店長と同じ場所で働けて、気にかけてもらえて本当に嬉しいんだ。
一緒に働いていると、俺が思っていた以上に凄い人だとわかった。

だから…わかってるよ。
いちいち茉莉子がむきにならなくてもな。
でも…わかっているからこそ、自分なんかじゃ敵わないからこそ、余計に腹が立つんだ。

ブーブー

さっきからケータイうるせぇ…誰だよ…
…神崎か…え?アイツ何回かけてくるんだよ。嫌がらせか?
何か用かな…めんどくせぇ…

「もしもし…」
『あーやっと出たー!』
「何?何か用?」
『うっわ!アンタ、声暗すぎ!何かあったん?』
「…別に。」
『ふーん。なあなあ、彼女さんと最近どうなん?』
「…用ってそれ?」
『彼女さん…茉莉子ちゃんやったっけ?茉莉子ちゃんとケンカでもしたん?さっきから声めちゃくちゃ暗いで。』
「…なあ…俺…どうしたらいい?茉莉子のこと好きなのに…傷つけたくない、大事にしたいって思ってるのに…俺…傷つけてるんだ…。離してあげたい…でも…できないんだ…」

小さい体がガクガク震えてた。
目をぎゅっとつぶって、怖さに耐えてた。
そんな怖い想いさせたくない。
茉莉子の笑った顔が好きなんだ。
なのに…俺は…


*****

「最近、考え事が多いね。」
「そう?」
「そうだよ。最近ずっと。…そんな顔をしてる原因は…茉莉子ちゃんだよね?」
「…いや…」
佐伯さんを送った後、俺はcherryに来た。なんとなく帰る気にならなかったから。

「茉莉子ちゃんもね、最近深田くんと同じような表情してるよ。」
「え?」
彼女が気になって仕方ない。
最初は、真面目でコツコツ頑張る子だな…って思ってただけだったのに。
「素直じゃないよね、二人とも。」

そう呟くと、マスターは別の客の所へ去っていった。


*****

私は、部屋で泣いていた。

山口さんの目や口調や力が怖かったのもある。…でも、あの優しい彼をそんな風にさせてしまったのは、私だ。
きっとたくさん傷つけてきた。口には出してないけど、いっぱい悩んでたんだと思う。

私は、なんてズルイ人間なんだろう。
彼への申し訳なさ・自分への苛立ち…色んな気持ちが重なって、涙が止まらなくなった。


*****

「ママー茉莉子おねえちゃんからお返事まだー?」
「まだよ。茉莉子お姉ちゃんも忙しいのよ。…あ、もうこんな時間だから寝ようね。」
「嫌だー!茉莉子おねえちゃんのお返事待つー!」
「だーめ。もう遅いから寝るの。」

はぁ…本当にあやめは佐伯さん大好きね。
深田くんと佐伯さんが結婚すれば…あやめも喜ぶかしら?
…失恋しちゃうけど(笑)

佐伯さん、山口くんに気持ち伝えられたかな…。


*****

全然眠れなかった…

ブーブー

山口さん?…こんな朝早くにどうしたんだろう…

「もしもし?」
『あ、おはよう!体調どう?』
いつも通りの明るい声…
「もう大丈夫です。あ、ありがとうございました。」
『良かったー!じゃあ、一緒に会社まで行こー!』
えっ?


私が戸惑っているうちに、電話は切られ、30分後くらいに彼はうちに私を迎えに来た。
私と彼は、この日から毎日一緒に通勤することになる。


*****

佐伯さんと山口は、最近毎日仲良く一緒に出勤してくる。
その姿を見るたびに、俺は複雑な気持ちになる。

「茉莉子可愛いんですよー!」
山口は、助手席の俺に自慢げに話してくる。…自慢げに…というのは、多分俺の気のせいだが。
「…うまくいってるみたいだな。」
「はい!最中の時も可愛いんですよ!」

なんなんだ…
付き合ってるんだから、当たり前だが…

「…お前、真っ昼間からそんな話すんなよ…」
「じゃあ、真っ昼間じゃなかったらいいんですか(笑)?」
「…俺は、他人の床事情を聞く趣味ねえよ…」

なんだか、佐伯さんが本当に山口の彼女なんだと見せつけられているようで…
俺、冷静に返せてるよな?取り乱したりしてないよな?

山口は、俺の知らない佐伯さんを知っている。その事実がこんなに自分を苦しめるなんて…。
少し気になるだけだったのに…今俺はあの子のことが頭から離れない。

この歳になって、またこんな気持ちになるなんて自分でも驚いてる。

可愛い笑顔も、頑張り屋な所も、ちょっと引っ込み思案な所も…全部…好きだ。
この気持ち…どうやったら治まるんだ…。


つづく
by rin1119a | 2013-12-07 09:56 | 運命の人