JYJの妄想小説ブログです。妄想小説が苦手な方は閲覧しないでください。JYJも妄想も好きな方は是非どうぞ(^^)気に入ってもらえますように(*´∀`)


by 凛

熱情 第1話

仕事の合間を縫って、うちの病院の庭に行ってみる。

そこには…
やっぱりここだった!

彼女は、柔らかな笑みを浮かべながら、満開の桜を見つめている。その綺麗なボブカットが、春風に揺れている。

「灯(あかり)ちゃん!」
「キム先生、こんにちは。」
「キム先生はやめてよ(笑)ジェジュンでいいよ!」
「だって、お医者さんなんだから『先生』ですよ。」
「もー(笑)そんなことより、最近どう?ちゃんと主治医の指示通りに、薬飲んでる?」

見たところ、顔色は良さそうだけど、油断はできない。
「大丈夫ですよ。発作も全然ないですし。」
「良かった…灯ちゃん無理しすぎるから、心配で…。あと、薬を飲みすぎるのもダメだからね!ちゃんと用法用量を守るんだよ!」
「はい(笑)ジェジュンさん、心配しすぎです。大丈夫なのに(笑)」

そう言って笑うけど、彼女の『大丈夫』ほどあてにならない言葉はない。

俺は、5年目の医師。
まだまだだけど、必死に勉強して絶対に一流のドクターになる!
そして…必ず灯ちゃんを治すんだ!
俺がこの診療科を専門に選んだのも、灯ちゃんを治すため。

この子が心から笑えるように…
こんなに優しい子は他にいないよ。

俺が灯ちゃんを治す。灯ちゃんの支えになる。


*****

*3年前*


「遅くなって申し訳ない!」
仕事が長引いてしまって、約束に1時間も遅れてしまった。
居酒屋の個室には、見慣れた3人の男と、知らない女の子が4人。

いわゆる、合コンというやつだ。
学生時代の後輩に誘われてやって来たが…みんな水準以上のルックスで良い感じだな。
田城(たしろ)の奴、いつの間にこんな子たちと知り合いになったんだ?田城のくせに生意気だぞ(笑)

自己紹介は終わったみたいだけど、俺のために、女の子たちはもう一度自己紹介をしてくれるようだ。

その前に…俺からだな…

「遅れてすみません。パク・ユチョンです。田城とは、大学院で一緒で…。今は社会人1年目で、営業してます。…よろしく。」

合コンは初めてだから、自己紹介で何を話せばいいのかわからず、当たり障りのないものになってしまった。
合コンなんて行かなくても、いくらでも出会いあったし。


3人の自己紹介が終わり、俺から一番離れた席に座っている子の番になった。
ボブカットが良く似合う可愛い子。…ちょっとタイプかも。

「藤木灯(ふじき あかり)です。田城さんとは、バイト先でとても仲良くさせてもらっています。
N女子大経済学部の3年生です。子供が大好きで、障害のある子供と関わるサークルに入っています。よろしくお願いします。」

俺たち全員の顔を平等に見ながら、彼女はそう言ってペコリと頭を下げた。
ニコッと笑って…。

灯ちゃんっていうんだ。
子供好きなんだ。
しっかりしてそうな感じの子だな。
笑ったらもっと可愛いし。
へぇ~…


酒もつまみも進むし、本当に楽しくて時間があっという間に過ぎていく。
女の子たちはみんな良い子で、話していて楽しいし。

でも、俺は、一番離れた席のあの子がなんか気になって、ついつい目で追ってしまう。
端と端だから、全然話せないけど。

彼女は、他の奴全員にとても気を遣っている。男受けを狙う…なんてものではない。
俺は、人を見る目には自信がある。この子は絶対にそんな人間ではない。

上手く話に入れない女の子には、助け船を出して、話にいれてあげる。

彼女の向かいの席の奴は、めちゃくちゃ口下手だ。
でも、彼女は上手くそいつの話を引き出してやってる。
アイツがこんな楽しそうにしてるなんて、かなり珍しいな。人見知り激しいのに。

聞き上手だし、自分で話すのも上手いみたいだ。彼女の話を聞きながら、他の3人も笑っている。

気遣い上手で、しっかりした優しいお姉さんタイプかな。
女の子たちの中では一番年上だから(1年浪人で大学に入って今年22になるらしい)、余計にそう見えるのかも。

そんな感じで、居酒屋での時間は終わり、カラオケに行くことになった。


*****

………よし!!

カラオケで、偶然彼女の向かいの席になった。

酔いが回り、バカみたいに熱唱している(ろれつが回っていなくて、歌にすらなってない)田城は無視して、俺は彼女に話しかける。

「酒好きなの?結構飲んでたよね?」
「はい。飲み放題だったからつい(笑)」
「そうなんだ。酒何が好きなの?」
「何でも好きですよ。あ、ビールは苦手ですけど。」

何でも…結構酒飲みっぽいな(笑)
ビール苦手なんだ。

「へぇービールダメなんだ。苦いのがダメってこと?」
「そうなんです…お子ちゃまなんです。パクさんは何が好きですか?」
「うーん…俺も何でも好きだけど…一番はチャミスルかな。」

周りが騒がしいから、俺たちは相手の声が聞こえるように、どちらからともなく近づく。
その瞬間、彼女の綺麗な髪がふわっと揺れた。
綺麗だよな…顔小さいからボブが良く似合ってる。

「チャミスル???」
「あー韓国の酒。焼酎みたいなやつ。」
「へぇー飲んでみたいです。」
「焼酎飲むの?」
「はい、好きですよ。」
「うわ!酒飲み(笑)!」
「そんなたいした酒飲みではないですよー(笑)」
「酒飲みなのは認めるんだ(笑)」
「はい(笑)否定はしないです(笑)」

彼女は、ニコニコ笑ってそう言った。
あ…今気づいたけど、この子笑ったらえくぼが出るんだ。可愛いな。
しっかりしたお姉さんに見えるけど、笑うと急に幼くなるし。

カラオケでは、彼女とささいな話で盛り上がったり、彼女の可愛い歌声を聞けてとても楽しかった。
酔いつぶれた田城を心配して、世話を焼いている姿も印象的だった。

田城なんか放っといていいのに。
彼女が田城の介抱をしているせいで、俺は彼女と話せなくなったし。


*****

「みんな可愛くて、良い子でしたねー」
「だな。」
帰りの電車で、後輩と上機嫌で話していた。

あの子とまた会いたいな。
酒が好きみたいだから、洒落たbarにでも…そのあとは…

あっ!俺、あの子の連絡先聞いてないじゃん!!!
話すのに夢中で忘れてた!!!
俺としたことが…くそ…

うわ…絶対に今日だけで終わりは嫌だ。
あ…田城!田城に聞けばいいんだ!

俺は、隣にいる後輩をそっちのけにして、田城にメールを打った。


*****

翌朝、酔いの冷めた田城から返事が来た。
彼女が俺に連絡先を教えることを許可してくれたらしく、その返信には彼女の連絡先が記載されていた。

久しぶりにワクワクするな。
どうやって落とそうか…。
顔可愛いし、歩いてる姿見ても、手足長くてスタイル良かったし。
…絶対に落としてやる!

その時の俺は、それくらいにしか思っていなかった。
お気に入りのオモチャを見つけたような気持ちだった。

まさか…アイツが俺にとって特別な女になるなんて、全く想像もしていなかった。

特別な女なんだと気づいたのは、灯を失ってからだけど。


つづく
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by rin1119a | 2013-12-14 22:15 | 熱情 | Comments(0)